企業や事業の買収、売却、組織再編、あるいは第三者割当増資等、企業活動の様々な場面で企業価値を評価する必要性が生じます。
弊社はこれまでの数百件を超える企業価値算定の経験から、その場面に相応しい、当事者が納得できる合理的な企業価値を算定致します。
また、パーチェスプライスアロケーション(PPA)対応も可能です。
※PPAとは、M&A完了後に買い手企業が行う一連の会計処理であり、M&Aにおける買収対価を買収対象企業の資産及び負債に配分する手続きであり、特に上場会社においては必須の手続となります。
企業価値評価で最も重要なポイントは、取引の場面、取引の目的、当事者の立場によってそれぞれに異なる企業価値を、当事者同士が納得できるように算定する為には、いかに合理的な論理を積み上げられるかということであり、企業価値評価の巧拙は正にそこに現れます。
会社法上、特に有利な価額での発行の場合、株主総会の特別決議が必要となります(199条2項、3項、200条2項、201条1項、309条2項5号)。
非上場会社においてエクイティファイナンス(第三者割当増資・ストックオプション発行等)を行う場合には、有利発行によって他の株主の持分が希薄化することのないよう適正な時価とする必要があります。
税務上、非上場株式の評価方法は定められており(財基通178~189-7、 所通59-6、 法通9-1-14)、当該評価方法に依らずに取引が行われた場合には課税されるリスクが高まります。
税務上のリスクは、その態様によってそれぞれ異なります。
自社の企業価値や事業価値を知ることは何も事業の選択や集中、M&A等の施策を行う際にのみ必要となるものではありません。自社の企業価値の向上を全ての企業が目指している目標であり、そのためには、自社の企業価値の客観的な評価を知った上で、何をすることが企業価値の向上に繋がるかという課題を認識する必要があるからです。
すなわち、企業価値・事業価値の測定、価値を低くしている要因の分析、価値向上に寄与する施策の立案と実行、施策実行の効果の評価・改善度の把握と企業価値・事業価値の測定、という一連のPDCAの経営管理サイクルに企業価値・事業価値評価の考え方を取り入れることにより、企業価値の最大化に取り組みます。
当所の企業価値評価のノウハウは、企業価値を向上させるためには何をすれば良いかという施策立案のノウハウにも繋がります。
御社の企業価値・事業価値を測定した上で、御社の価値を低くしている要因を分析し、価値向上に寄与する施策を立案することで御社の企業価値最大化の実現に向けてサポート致します。
インカム・アプローチとは、評価対象会社から期待される利益、ないしキャッシュ・フローに基づいて価値を評価する方法です。
①DCF法
DCF法は、将来獲得されると期待されるフリー・キャッシュ・フローを適切な割引率によって 現在価値に還元することにより株式価値を算定する方法です。
②収益還元価値法
収益還元法は、将来予想される利益を、資本還元率によって現在価値に還元することにより株式価値を算定する方法です。
当該方法は、現在の収益性を反映でき、 DCF法に比べ計算が簡便である利点がありますが、他方、将来の成長性の変化を反映できないという欠点があります。
③配当還元法
配当還元法は、将来企業の獲得する純利益のうち、株主に還元される一株当たりの配当金額を適切な割引率によって現在価値に還元することにより株式価値を算定する方法です。
当該方法は、計算が簡便であり、株式を保有しながら経営に対し殆ど影響力を持たない少数株主の立場から株式評価をするには適当な方法といえますが、他方、配当政策が会社の業績を反映しない場合、過小評価になる欠点があります。
マーケット・アプローチとは、上場している同業他社や、評価対象会社で行われた類似取引事例等、類似会社、類似事業、ないし類似取引と比較することによって相対的な価値を評価する方法です。
①類似会社法(マルティプル法)
類似会社法は、評価対象会社が公開会社と類似した業務を営んでおり、且つ財務状況が近似していれば株価は当該類似会社とほぼ同程度であろうとの前提の下で、同業他社の株価と各要素で比準計算する方法です。
当該方法は、評価対象会社の価値を市場の評価という観点から評価できる利点がありますが、他方、類似会社の選定が困難であるという欠点があります。
②市場株価法
市場株価法は、評価対象会社が株式を上場している場合、当該株価を株式価値とする方法です。
当該方法は、株式市場での株価であるため客観性に優れた方法ですが、株価の変動に異常値がある場合には、当該異常値を補正する必要があります。
③取引事例法
取引事例法は、評価対象会社の株式に実際の取引事例がある場合、その取引価格を基礎として株価を算出する方法です。
当該方法は、評価対象会社の価値を、直近の取引当事者による評価という観点から評価できる利点がありますが、他方、直近の取引事例の株価が妥当であるかが重要になります。
ネットアセット・アプローチとは、評価対象会社の貸借対照表記載の純資産に着目して価値を評価する方法です。
①純資産法
純資産法は、帳簿価額による純資産額を株式済発行数で除して算定する方法です。
純資産額については、時価に修正する時価純資産法や、一部の資産・負債のみを時価にする修正簿価純資産法があります。
当該方法は、計算が簡便で客観性に優れた方法ですが、他方、将来の成長性や収益性を反映できないため、成長過程や衰退基調にある会社では適正に評価できない欠点があります。